ソニー生命のグローバル・フランチャイズの構成銘柄を見ていると、
ここ最近はシェアの一番高い銘柄として君臨していたのは、ネスレでした。
しかし今年に入ってからはずいぶんと変わっています。
ネスレを抜いて一番となったのはマイクロソフトです。
マイクロソフトのことを知らない人はあまりいないかもしれません。
なぜマイクロソフトがここまで構成比率を高めたのか、
また今後の動向はどうなのかを少し見てみたいと思います。
まず最初に、マイクロソフトの2015年売上は936億ドルです。
2013年、2014年の数字が778億ドル、868億ドルとなり、順調に数字を伸ばしています。
では何によって売上を上げているかみてみると、マイクロソフトは主に3つの事業に分かれています。
①Productivity and Business Processes(法人、個人向けOfficeの提供)
②Intelligent Cloud(サーバーやクラウドサービスの提供)
③More Personal Computing(ゲーム、検索、Surface等の端末)
通常、パソコンでエクセルやワードを使用するときには、
マイクロソフトの提供するOfficeが必要となります。
よくパソコンを使っていると、
ソフトの更新に伴い、サポートサービスが終了しますというアラートを受けとります。
このことによって、
利用者としては新しいソフトが必要になり、
そして、自然とマイクロソフトの新しいバージョンのOfficeを買うことになります。
つまり利用者としては知らず知らずのうちにマイクロソフトの製品を買っているわけです。
各事業について売上は出ていますが、
しっかりと利益を出しているのは①と②のみです。
しかも約50%弱の利益率となっています。
マイクロソフトとしては①と②において圧倒的にブランドを持ち、
他の会社がまねできないような商品を持ち、しかもお客が浮気をしない。
マイクロソフトには事業から稼いだ潤沢な資金があり、
さらに毎年200億ドルを超えるフリーキャッシュフローがあります。
2015年度は231億ドルでした。
15年度の株主還元額は233億ドルで、
約100億ドルを配当に、残りを自社株買取資金として使っています。
今まで株主還元についてはあまり積極的ではなかったマイクロソフトですが、
ここにきて、フリーキャッシュフローの相当額を使っています。
本来であれば利益の出ている①と②だけに集中していただきたいところです。
ただ上場企業という性質、成長を求められる限り、新しい分野への投資やM&Aは必須となるのかもしれないです。
ここにきて、マイクロソフトのブランド、製品、利益を生み出す力など、
日本の企業にはない圧倒的なものを感じたのは確かです。
しばらくは安定してキャッシュフローを生み出すことでしょう。